将来のことを考えると貯蓄をしておきたいところですが、なかなか難しいもの。そこで、貯金ゼロから貯め体質へと変わったファイナンシャルプランナーのまむさんにお金を増やすための習慣について教えてもらいました。
家計簿をつけて現状の収入や支出を整理すると、自分のお金の使い方の癖を知ることができるので、削るべき出費を洗い出しやすくなります。月1でいくら使っているか見える形にしてみましょう。毎月のお金の出入りを把握することが節約への第一歩です。
収支を把握したら、「先取り貯金」に取り組みましょう。貯金用の口座を作って給料が入ったらすぐに入金する仕組みを作ります。毎月一定額を自動的に積み立てられる銀行の「自動積立定期預金」を使う方法も。先に貯蓄分を確保するので、無駄遣いを防ぐことにつながります。
片付けと貯蓄は一見関係ないように思えますが、実は密接なつながりがあります。例えば、セール品につられて不要な物を買ってしまったことはありませんか?自分が持っている物の整理をして、日頃の買い物の仕方を振り返ってみましょう。
例えば缶コーヒーやお菓子など小さな額でも払い続けていれば大きな支出になります。無駄な出費をしていないか振り返り、マイボトルを職場に持っていったり、コンビニよりもスーパーで購入するなど、節約するための行動を取り入れていくことが大切です。
支出には食費や日用品代など日々の行動や選択によって変わる「変動費」と、保険や住宅費など毎月払う額が決まっている「固定費」があります。日によって出費が違う変動費よりも固定費の見直しから始めましょう。毎月の支出を効果的に削減できます。
格安スマホの最大のメリットは、auやドコモなどの大手キャリアよりも料金が安いことです。まむさんの場合、大手キャリアで契約していたとき、毎月の通信費は約1万円かかっていましたが、2020年にUQモバイルに乗り換えてから月々3500円ほどになったことで、年間の携帯代を約5万円削減することに成功しました。
eSIM(イーシム)とはあらかじめスマホの中に内蔵されているSIM(シム)のこと。通常のSIMはスマホに差しこむことで電話やネットなどが使えますが、eSIMはスマホに内蔵されています。また、SIMカードとeSIMを同時に使える「デュアルSIM」があり、スマホ1台で2つの電話番号やデータ通信を使い分けることが可能です。
まむさんの場合、元々UQモバイルだけ契約されていましたが、「デュアルSIM」で2021年に楽天モバイルも契約。楽天モバイルのデータ通信プランを利用して、ギガ数を節約したことで、さらに携帯代を抑えられたそうです。
安さがうりの格安スマホですが、大手キャリアと比べると、通信速度が遅くなりやすいことや、格安SIMによってはLINEのID検索ができないなどの注意点もあります。そういったことも踏まえた上で乗り換えましょう。
もしものときの備えとして保険に入っている方も多いと思いますが、加入したきり見直していないということはありませんか?ライフスタイルの変化によって必要な保障内容も変わるものです。今の自分に必要な保険を選び直してみましょう。
高額療養費制度
病院や薬局の窓口で支払った額が一定の上限額を超えた場合に、申請をすることで払い戻しを受けられる制度です。上限額は年齢や所得によって異なります。
傷病手当金
病気やけがで働けないとき受け取れる手当金で、健康保険の被保険者のみが対象です。連続して3日間欠勤した後、4日目以降も休んだ場合に支給されます。
医療費控除
1年間で自分や生計を共にする家族のために支払った医療費が10万円を超えた場合に所得控除を受けられる制度。治療費だけでなく、通院の交通費も対象です。
サブスクとはサブスクリプションの略で、定額で動画や音楽などを楽しめるサービスのことをいいます。月々の料金は小さくても年間で見ると大きな支出に。利用頻度や金額に見合ったサービス内容かどうか定期的に見直しましょう。
応援したい自治体に寄付をすると所得税や住民税の控除を受けられる「ふるさと納税」。控除額は寄付金から2千円を引いた金額となっています。寄付をした自治体から返礼品をもらえますが、食費の節約につなげるなら普段購入している食材や日用品を返礼品として選ぶのがおすすめです。
控除額には上限があり、年収や扶養家族などによって変わります。詳細は総務省のホームページで確認してください。
超低金利時代の今、銀行に預けているだけではなかなかお金は増えません。そこで、考えたいのが普段使わないお金を働かせることです。長期投資で増える仕組みを作りましょう。
①iDeCo(イデコ)
○公的年金と合わせて給付を受けら
れる私的年金制度
○掛け金は月5,000円から
○掛け金が全額所得控除となるので、
節税効果が高い
○運用で得た利益や利息が非課税
○積み立てた資金は60歳まで
引き出せない
②つみたてNISA(ニーサ)
○少額からの長期・積立・分散投資を
支援するための非課税制度
○金融機関によっては月額100円
から積み立てられる
○投資限度額は毎年40万円、非課税
期間は20年
○イデコと違い金融商品の売却や
解約はいつでも自由
生活防衛費とは、いざというときに生活に困らないように貯めておくお金のことです。貯金がない状態で現金を全て運用に回してしまうと、急にお金が必要になったとき困ってしまうので、ある程度生活防衛費を貯めてから始めましょう。まむさんの場合、100万円を貯めてから始めたそう。最初はつみたてニーサを月4千円から開始して、今では33,333円(333円はポイント運用)、イデコは5千円を運用中です。
投資は資産形成を行う上で有効な手段ですが、損をするケースもあります。事前にネットや本などで情報収集をして、購入する金融商品や運用方法、利率などをしっかりと理解した上で始めましょう。
「ポイ活」とはポイントを貯めてうまく使う活動のことです。現金代わりに使えるポイントを貯めれば節約にもなります。まむさんは昨年ポイ活で13万円も得をしたそうです。
ポイントサイト
「ポイントサイト」は指定された条件を達成するとポイントが貯まる仕組みです。例えば、ポイントサイトを通してネットショッピングをするとポイントがもらえます。現金や電子マネーなどにも交換が可能です。
キャッシュレス決済
キャッシュレス決済とは現金を使わない支払い方法のことです。主にクレジットカード、デビットカード、スマホ決済、電子マネーの4種類があり、決済方法によってポイントの貯まり方に違いがあります。
今回、取材協力をいただいた、まむさんは低収入でも楽しみながらできる節約術をインスタグラムで発信されています。ファイナンシャルプランナーでもあり、インスタで家計管理の相談を受付中。タロット占い師としても活動するなど、幅広く活躍されています。
プロフィール
もともと浪費家であったが、転職で給料が下がったことをきっかけに、家計改善に取り組む。誰でも気軽に取り組みやすい節約術や投資などお金についてインスタグラムに投稿し、2022年3月現在、フォロワー数は6千人超え。インスタでは家計相談やタロット占いの依頼を受付中。FP2級を取得。